
腕時計の中に水が入った
本日、電話がかかってきて問い合わせを受けました。「時計のガラスの内側が曇ってしまうのですが修理していただけませんか?」まずはじめに時計の状態をお聞きしました。「時計は動いていますか?」動いているそうなのですぐに持ってきてください。
15分くらいでお客様が来店しました。時計を拝見すると、確かに動いています。そしてガラスの内側に水が入っています。文字盤にも濡れた跡が何か所かありました。さらに針にも水滴がありました。
時計は舶来のタグ・ホイヤーでした。高級時計です。防水性能は200メートル防水なので通常の状態では水が入ることはありません。購入されてから数年は経っているのでしょう。機械の状態を専用の機械で調べると大丈夫のようでした。
水が入ってどれくらいですか?と尋ねると、1か月くらい経つそうです。ひどい場合は時計が錆びてしまう恐れがあります。この状態では通常メーカー修理で分解掃除が必要になります。しかし乾燥させるだけで済めば、これからは非防水として使用していただければ何とかなりそうです。
この時計は運が良かった!
時計をお預かりしてお客様は帰られました。これからが時間との勝負です。早速、バンドを外して裏ブタを外すと運よく機械側には水が入っていないようです。すぐに竜頭のネジを緩めて巻き真を抜き取りました。
そして機械をケースから取り出して、文字盤と針に付いている水滴をふき取りました。次にガラスの内側に付いている水滴を拭いてガラスの点検をすると欠けや割れもなく綺麗な状態でした。白熱電球やドライヤーを使うと機械が熱くなって回路が壊れることがあるので自然乾燥にしました。
機械がずぶぬれの時は白熱電球を使いますが、それ以外はおすすめできません。本来はケースやバンドの洗浄が必要ですが、傷んでいるパッキンが硬化して外す時に切れてしまう恐れがあるので軽くふき取ることにしました。
ケースやバンド、機械を暖かい状態にして2日ほどそのままで乾燥するのを待ちます。これからはゆっくりと作業しなければいけません。ただ放っている訳でなく2時間ごとくらいに様子を見なくてはいけません。
非防水の時計としてご使用ください
2日経ってから十分に乾燥したケースに、乾燥させた針と文字盤が着いた状態の機械を、ケースの中に入れます。本来は電池の交換も必要ではありますが、今回はそのまま使います。次に巻き真を機械に取り付けて、裏ブタを閉めて時計の状態を確認してバンドを取り付けます。
最終テストとして時計を手に着けて体温で時計のガラスが曇らないのを確認します。今回はあまり料金がかからないように水入りだけを修理いたしました。パッキン交換や防水テスト等をおこなうとすぐに料金が2倍以上かかってしまいます。勿論、パッキンにグリスをつけておきました。


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